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主に映画の感想を書いているブログです

マジカル・ガール (2014) [スペイン] カルロス・ベルムト監督

余命少ない白血病の娘の願いを叶える為に奮闘する父親を描いた作品。12歳の女の子は日本のアニメ「魔法少女ユキコ」の衣装を着て踊る事が夢である。しかし、何故かこの衣装がやたら高価という設定。

教師を退職して金がないとはいえ、強盗をしたり恐喝をしないと手に入らない程である。何か、もっと安いのがあっても良さそうだが。そもそもそこまでして手に入れるほどではない。誰もが見ていてツッコミを入れたくなる。ある意味日本びいきの作品と言えよう。それだけの価値があるという。

ラジオへの投書で女の子が衣装どうこうより父親と一緒に居る事が幸せであると告白しているから尚更滑稽に見える。一番面白かったのは苦労して手に入れた衣装だったが、セットの魔法の杖がなかったというオチである。後にそれも手に入れる展開にはなるが、思わず吹き出す。いや、そこは妥協しろよと。

と言っても、本作はコメディでもギャグでもSFでもファンタジーでもない。設定と粗筋だけ聞くとお子様向けかと思うが実は全く違う。大人社会の汚い争いが展開されるのである。この不思議なアンバランスが本作の特徴と言える。

父親が恐喝対象とする女が実はメインだったのかと最後になって気付かされる。そして、父親のアホさ加減に苛立ち最後には怒りさえ込み上げて来る。一番の被害者は女の子である。本当に可哀想としか言いようがない。

一風変わった設定と展開でラストも意表を突かれる。日本びいきのところも日本人なら観ていて悪い気はしないだろう。映画ファンならとりあえず観てみる事をおすすめする作品である。決して感動の大作とか歴史に残る名作などではないが。

 

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