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主に映画の感想を書いているブログです

ソードアート・オンラインII

未来のネットゲームを舞台にしたSFドラマ。全24話。伊藤智彦監督。

主人公の他、前作から引き続き登場するキャラクターも居るが、メインとなるのは新たに登場するキャラクター達である。現実世界のトラウマを克服したいシノンや病気の為に寝たきりで余命少ないユウキなど。

主人公?のキリトは相変わらず完全無欠で何をやっても上手くこなす。前作でもこれが原因となってストーリーも安っぽくつまらなかった。本作ではキリトは脇役となり、シノンやユウキ、アスナなどに主役の座を譲った為、彼のスーパーマン的なスタンスはギャグの一部としてそれ程気にならずに見られた。

MMORPGという事だが、本作の場合はゲームというより仮想体験マシーンと言った方がしっくり来る。作中でもVRマシーンと言われているように、いわゆるネットゲームとは根本的に異なる。だから、病気で寝たきりの人でもプレイ?が出来る。

シノンのストーリーでは、現実世界の出来事とゲーム世界の出来事がそこそこマッチしており、彼女のキャラクターもよく描けていたから私はわりと楽しめた。しかし、この作品のVRシステムが本当に必要だったかというとそうではなかった。彼女の場合は寝たきりというわけでもないし、トラウマを克服する為にゲームをするというのも無理やりな感じがする。この種の精神疾患がゲームによって改善されるなどという話は聞いた事がない。むしろ、悪化しそうである。

ユウキのストーリーでは、彼女が寝たきりの病人であるからVRシステムの意味が出て来た。手足が使えなくてもプレイ出来るわけだから打って付けである。しかし、本当に彼女にはゲームしかなかったのだろうか。彼女の人望の厚さも単にゲームスキルが高いから(人が集まる)のように思えて人間関係を描いたドラマとしては薄っぺらく感じる。アスナの家庭のドラマとの関連も薄く、ちぐはぐである。

本作の人気が高いのは、ネットゲームを舞台にした内容だからと思う。アニメファンとゲームファンはかなりの部分で被っている。主人公のキリトが意味もなく強いのも彼らの理想像としての位置付けであり、これくらい現実味のない方がむしろ現実世界に嫌気が差している人には丁度いいのかもしれない。薄っぺらい人間関係も人間ドラマになっていないあたりがむしろ心地良いと思うのかもしれない。リアルな人間関係など見たくないと。

確かにそこそこ面白かった。現実を超えた綺麗な映像に主人公らメインのキャラクター達の思い通りの展開と結末。レールから外れそうになった途端、超人キリトがさっそうと現れ軌道修正を一人で見事にやってのける。

しかし、気持ち良過ぎたのかもしれない。世の中こんなに綺麗じゃない。仮想世界と言っても生きた人間の作る世界である。汚い部分、醜い部分がもっとあるはずだ。そういった部分から目を背け、仮想空間を理由に誤魔化しの世界を見せられてもやはりそこそこ止まり。本当の感動は得られないだろう。残念ながらどうしても「そこそこ」なのだ。