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主に映画の感想を書いているブログです

アナと雪の女王 (2013) [米] クリス・バック、ジェニファー・リー監督

原題は「FROZEN」(氷結した)。アンデルセンの「雪の女王」を原案としているからこの邦題となったのだろう。確かに邦題の付け方は上手いと思う。原題よりも内容に合っているくらいだ。

しかし、その内容は原案となった童話よりつまらない。ストーリー的な面白味はほとんどない。そもそも危険な魔法をまともに制御出来ない人間を女王にするなと。何故誰も止めようとしないのだろう。継承順位が絶対と言っても限度があるだろう。エルサの魔法の危険性は幼少期の事件で広く一般に認知されているはずなのだから分からないはずはない。

まずこの点で話に入る事が出来なかった。以降、アナがエルサを探しに行く展開は姉妹だから当然として納得が行く。自身の危険も顧みずエルサを助けるアナの言動も幼少期の仲の良い描写がある分納得出来るし感動の場面と言えるだろう。

しかし、だからといってエルサの魔法の危険が無くなったと確信出来るだろうか。ラスト、以前と同じように魔法をばんばん使用している。しかも、例によって氷結させる類の魔法である。

ファンタジーだから細かい部分の整合性まで全て求めるつもりはもちろんない。しかし、ストーリー展開上重要な基点となる部分はそれなりの理屈を提示してもらわないと納得出来ない作品となってしまう。

本作はジャンル的にミュージカルアニメになると思うが、それを考慮したとしても、話の骨格がいい加減過ぎる。基本的な流れ自体納得出来ない部分が多い。そういう意味では分かり易いようで分かり辛い作品だと思う。

映像はさすがに文句の付けようがない素晴らしさである。人物の肌の細かいシミまで描き分ける芸の細かさには感嘆するしかない。いかにもアメリカ人の好きな派手なデザインで大味の絵柄のように見える人も多いと思うが、実はいたるところできめ細かい演出が行われているのである。この凄さに気付ける人は実は少ない。

ミュージカルアニメとしては楽曲自体の出来が良い為、それら音楽に助けられて高い評価を得るに至ったのだと思う。しかし、人物やストーリーの出来という意味では完成度が低いと言わざるを得ない。この部分は本作の対象年齢を考えるとそれほど気にしなくて良かったのかもしれない。低年齢層には難しいストーリーなどそもそも理解出来ないからである。綺麗な映像と音楽があればそれでいい。それも一つの割り切りとしてあるのかもしれない。私は良いとは思わないが。