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主に映画の感想を書いているブログです

リアリティー (2012) [伊・仏] マッテオ・ガローネ監督

魚屋を営む男がTVに出る事になり大騒ぎという話。実際には出演が確定しているわけでもなく、本人だけがその気になって家族含めて周囲に様々な迷惑をかけるという、一見コメディの設定である。

しかし、本作は決して笑えない。そもそも主人公からしてちっとも魅力的ではない。アマチュアコメディアンのような存在に描かれているが、どこが面白いのかさっぱりである。

特別にタレント志望というわけでもなく、当のTV番組に出る事がどれだけ価値のあるものか判然としないから、主人公のはしゃぎ様に共感出来ない。つまり、鑑賞者はどちらかというと迷惑を被る彼の家族側の視点で観る事になるのだ。

しかし、あくまで物語の視点は迷惑をかける主人公だからどうにも意味不明な不快感しかわいて来ない。何故そんなにTVに出たいのか、何故そんなにはしゃいでいるのか、何故出演を確信出来たのか、全て理解に苦しむ。逆にこのイライラ感のみが視聴継続の理由となる。

物語半ばで概ねラストの予想は付いてしまう。実際に大した結末でもなく、やっぱりこんなものかと落胆して観終わるだけの作品である。

本作がつまらないのは、ずばり、主人公に共感出来ないからである。たとえば、子供の頃からコメディアンに憧れていて努力していたが結局実らず現在は魚屋を営みながらも夢は捨てていない、などという設定ならまだ分かる。当のTV番組にしても、これに出演さえすれば大スター間違いなしの価値ある番組という説明があればまだ分かる。

本作を評価する人がいるとすれば、TVや映画関係者ではないだろうか。こういった人たちは上記のような事を常日頃から当たり前のように考えているからである。つまり、本作は肝心のところが説明不足なのだ。

 

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