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主に映画の感想を書いているブログです

無法松の一生 (1958) [日] 稲垣浩監督

1943年の同名作品を同監督が自分でリメイクした作品。明治時代の九州を舞台に人力車夫を主人公とした内容。無学で喧嘩っ早いが誠実といったキャラクターにぴったりな俳優にまず惹かれる。

本作の出来の良さの半分くらいは俳優の演技力によるものだろう。まさにベストマッチ。外見もいかにもそれらしく分かり易い。実にサービス精神あふれる手抜きのない演技である。

怪我をした子供を助け届けるシーンで一発で分かる主人公の人間性。未亡人やその子供との関わりも的確に描かれている。人間とはこうあるべきといった当たり前の事を素直に描いている美しい作品である。

ストーリー展開は決して面白いわけではないが、主人公のキャラクターと俳優の演技力でカバー出来る範囲におさまっており、十分退屈せず最後まで見られる作品である。

少々展開が唐突であるし、実のところ粗もたくさんある作品だが、一本筋の通った言いたい事が明確な作品である為かこれらマイナス点もどうでもいいと思える。当たり前の事だがテーマがいかに重要か改めて教えてくれる作品だ。

 

無法松の一生 [東宝DVDシネマファンクラブ]

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