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主に映画の感想を書いているブログです

her/世界でひとつの彼女 (2013) [米] スパイク・ジョーンズ監督

代筆ライターの男がパソコンのOSに恋をする話。というと変態オタクの話のように思うが、実はこのOSがAIを搭載しており、ユーザーの言う事に自動で受け答えする一種の自立したロボットのようであるから、特別に主人公が変人というわけではない。

離婚調停中という不安定な精神状態が設定として用意されるにしても、声だけのソフトウェアに惹かれるというのもかなり異常だ。受け答えが普通の人間と全く変わらないからそれほどおかしくは感じないのだが、このあたりはもう少し時間をかけて丁寧に説明して欲しかった。

このOSがあまりに人間的過ぎるのも失敗だと思う。これではただの遠距離恋愛などと変わりない。肉体がないだけのただの普通の人間である。

せっかく人間ではないOSというパソコンのソフトウェアとの恋愛としたのなら、その特徴を活かしたような恋愛を描いて欲しかった。まぁ、実際、こんな事は起らないし前例や体験もなく難しいのは分かるが、それを実現するのがクリエイターというものである。

結局、OSじゃ駄目だ。やっぱり人間だ。というのも、OSがあまりに人間的だから主張として分かり辛い。いや、そこは死ぬまでOSを愛せよとか私なんかは思ってしまう。それでこそ、愛には物質的なものは要らないというメッセージが分かり易く伝わるのではないかと思う。

結局、人間相手じゃないと駄目となったら、今までのOSとのやり取りは何だったのってなる。この話がつまらないのは、この半端加減にも原因がある。ブレ過ぎ。やるならとことんやらないと説得力がなくなるし面白くもなくなる。

 

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