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主に映画の感想を書いているブログです

ビッグ・アイズ (2014) [米] ティム・バートン監督

画家志望の男が自分の妻に代作を強要して偽画家ながらも世間には認められて行くという話。事実は小説よりも奇なり。設定、展開ともになかなか面白い。ストーリー内容だけで退屈せずに観られた作品は久しぶりである。

主人公の画家志望という最初の設定も物語中盤付近から怪しくなって来て、次第に口が上手いだけの詐欺師キャラとなって行く。妻は妻で連れ子の娘を生活させる為もあってその嘘に付き合い、人知れず絵を描き続ける。

しかし、主人公が完全に悪人かというとそうでもないところがこの話の面白いところだ。そもそも彼女の絵を世に知らしめるきっかけを作ったのは主人公であり、売り込み宣伝などの商売も彼が居なければうまく行かなかっただろう。絵の作者を偽っている事以外は特に害のある人間でもないのだ。

真実をバラす事はいつでも出来たはずなのに、それに従った彼の妻も所詮は金に目がくらんでいるだけであり、決して褒められたものではない。いわば、ただの共犯者である。

詐欺師の主人公はともかく、本当の画家である主人公の妻としては、自分の作品なのに堂々と名乗れないという悔しさが当然出て来る。このあたりの描き方は上手かったと思う。また、その気持ちを全く理解出来ていない主人公の軽薄振りも実に分かり易い。

男性優位であった時代背景も設定としてかっちりはまっていた。ただ、クライマックスであるはずの法廷シーンは無駄にコミカル過ぎて逆に白けてしまった。ここは普通の演出で良かったのではないかという気がする。

作中に多数登場する目が異様に大きい少女の絵も単純にそれ自体が面白かった。映像や俳優は平凡で特にこれといったものはないが、ストーリーの面白さだけでも十分に楽しめる佳作である。

 

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