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主に映画の感想を書いているブログです

カンゾー先生 (1998) [日] 今村昌平監督

終戦間際、肝臓病にこだわる開業医を主人公とした人間ドラマ。肝臓病に興味がある為か、何でも肝臓病と診断する事からタイトルのように呼ばれるようになったという。だから何としか。

本作のつまらなさは、人間が描けていない点である。何故これほど肝臓病にこだわるのか。研究熱心なのは何故なのか。そもそも医師を志した理由は何だったのか。それぞれ説明不足である。まず、この点で失敗している。

相方の看護師もまるで駄目。身寄りがないから引き取ったという設定しかない。特に医学に興味があるでも、人を助けたいでもない。主人公に好意を抱くという設定もあるが、これも設定で終わっている。何故なのかの部分が全て抜けている。だから説得力がない。よって感動もない。

淡々と映像を撮っているといった印象。映像自体は良いのでそれだけで観られる部分もあるのだが、内容はまるで駄目。これが描きたいといった制作側の思いが感じられない。冷静とも言えるが、ただ(作りが)上手いだけとも言える。

ストーリーも悪くないはずなのにこれほど面白くない作品というのもある意味珍しい。玄人受けする映像や俳優の良さは認めるが、こういった小手先の技術だけの作品は私は嫌いだ。たとえ、技術が拙くても言いたい事をストレートに伝えている作品を評価したい。そういった作品は感動を与えるからだ。映像や俳優の良さでも感動はあるがそういう技術的な部分での感動は薄い。ただ、上手いなで終わってしまう。

映画ファンなら観ておいて損はない作品だが、一般的な人には私はおすすめしない。映画は映像、音楽、俳優、ストーリーと、様々な表現技術を駆使出来る総合芸術なのだから、もっと分かり易くていいと思う。

 

カンゾー先生 [DVD]

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