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主に映画の感想を書いているブログです

3時10分、決断のとき (2007) [米] ジェームズ・マンゴールド監督

逮捕された強盗団のボスの護送を引き受ける事となった牧場主を描いた西部劇。主人公はかつては射撃の名手だったが戦争で負傷して義足を付けながら牧場を経営している。干ばつの為借金が膨らんでいるという設定。

借金を返す為に危険な強盗犯の護送を引き受けるというわけだ。強盗犯は人殺しを何とも思わないタイプの普通の悪人。裁判にかけられるようだが、ほぼ確実に死刑だろう。もうだったらここで殺せよと。

何度もそう思い、苛立ちながら観る作品である。命がけで死刑囚を守りながら護送する無意味さ。滑稽でもある。理屈はそうかもしれないが、どうにも納得が行かない。強盗団グループに囲まれて逃げ出す保安官も相変わらずで笑ってしまう。西部劇の保安官は大抵役立たずである。

そこで、主人公の責任感や意思の強さが描ける事になるわけだが、一時的に雇われただけの素人が頑張っているのに、プロが逃げ出してどうするんだか。

また、この強盗団のボスもよく分からない。数々の悪事を働く反社会的な人間なのに、護送中に人間性が芽生えたのか、護送役の主人公に協力し出すのである。主人公には息子がおり、この影響もあるだろうが、人殺しを何とも思わない強盗団のボスがこんなひ弱な性格なんだろうか。だったら最初から悪事など働かない気がする。制作者に都合の良いストーリー。登場人物がストーリーに動かされている。

大した内容でもなく、人物も描けていない為に退屈な作品である。西部劇だが、いわゆる銃撃戦を楽しむタイプの作品でもない。地味な人間ドラマが主体である。しかし、その人間が描けていないから当然の事ながら面白くない。

映像や俳優も並以下でしかなく、そういう部分でも楽しめない。登場人物は多いのだが、それぞれ個性が全くなく、こいつ誰だっけと思いながら観なくてはならない。主人公からして、うだつの上がらない人生を送っていてみっともない、息子に自慢出来る部分が何もない、そんな卑屈になってる人物だから魅力を感じようもない。どちらかというと、彼の息子の方が余程ヒーローっぽい。