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主に映画の感想を書いているブログです

私の、息子 (2013) [ルーマニア] カリン・ペーター・ネッツァー監督

子離れ出来ない母親とその息子の関係を描いた人間ドラマ。彼女の息子は交通事故を起こし、少年を死なせてしまう。この事件にまつわる出来事が主なストーリーである。登場人物もこの親子以外は警察官と被害者家族くらいしか登場せずシンプルなドラマである。

息子といっても30過ぎのオッサン。当然のことながら母親も結構な年齢。この年代になってお互いここまで干渉するのも何かの病気のような気もする。そんなべたべたした親子関係がメインの内容である。

交通事故も道路に飛びした少年側にも問題があるがスピード違反をしていたらしいから落ち度は轢いた側の方が大きいだろう。だから、彼女の息子がどう見ても反省して謝る側でしかない。ただし、ここでいちいち母親が出て来て代わりに交渉したり謝ったりまでする事はないのだ。それがこの作品のテーマである。

この母親はいわゆるセレブで偉い人達にも人脈があり、交通事故の後始末も金とコネを駆使して何とか不起訴で済ませようと奔走するのである。息子に対する接し方にしても事故の処理の仕方も被害者家族に対する謝罪の仕方もいちいち「それ間違ってるから」とツッコミを入れたくなる。

しかし、本作としては観ている人にこう思わせたら成功という事なのだろう。そういう親子の依存関係を描いているのだから。2時間ほどの尺の長さで映画としては一般的だが、本作の場合は少し長い気がした。交通事故の後始末工作を延々しているだけの内容だからだ。

母親と被害者家族との交渉、被害者家族から見ればただの殺人犯である母親の息子とのやり取りなどの演出はさすがに上手い。特にラスト数分は圧巻である。少し強引な気もするが、本作のラストとしては教科書通りの展開であえて批判するものではないだろう。王道の描き方である。

 

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