題名はありません。

主に映画の感想を書いているブログです

妻への家路 (2014) [中] チャン・イーモウ監督

文化大革命によって離れ離れとなった夫婦の20年振りの再会を描く。しかし、いざ再会したら妻側は夫の顔を忘れていたという。娘は中学生だからそれほどの歳でもないだろうが、一種の認知症らしい。

しかも、何故か忘れているのは夫の顔だけで、娘やその他の人々とは普通に関わっている。こんな設定で夫側は自分の顔を思い出させようとあの手この手を使い奮闘する。

完全に別人と認識されて、あんたなんか知らないと突き放される夫の姿が痛々しい。これが延々続き、少々うんざりしないでもない。認知症を扱った作品は多数あるが、本作はその変化球的作品である。

この夫婦の娘は、ほとんど父親の顔を知らず母親と二人で暮らして来た為、最初は父親の存在自体否定的だったが、自分の夫の顔を憶えていない母親の姿に納得が行かないのか、母親の記憶回復に父親と協力するようになる。いわば共闘である。

これら3人の家族関係は上手く描けていると感じた。俳優の演技もなかなか良い。地味でしっとりした映像も嫌味なく心地良い。映画的にも良く出来ている作品なので、映画ファンなら観ておくべき作品だろう。

あまり救われない結末であるし、痛々しくもどかしかったりとあまり一般受けするような内容でもないので、映画ファンでもない普通の人には微妙だが、分かる人には分かる佳作といったところか。

 

妻への家路 [Blu-ray]

妻への家路 [Blu-ray]