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罪の余白 (2015) [日] 大塚祐吉監督

いじめで死に追いやられた高校生の父親の復讐。一言で説明出来るよくある内容である。これ以上でもこれ以下でもない。しかし、駄作と言い切れるほどレベルの低い作品ではなかった。

俳優は良かった。いじめの首謀者となる生徒役の少女はそのいやらしい性格がよく表現出来ていたと思う。物語が進むにつれて迫力を増すあたりもいい。本作の魅力の大部分は彼女といっても過言ではない。

彼女の親友となる少女にしても、言い成りになるしかない状況や心理状態がうまく表現出来ていた。また、少し離れたポジションにいるクラスメイトもいかにもそれらしい。うまい配役である。

いじめ死した生徒の父親の同僚である大学の先生もその間抜けな性格がよく伝わって来て面白い。正直、どうでもいいはずの人物なのに妙にキャラが立っている。

本作はこういった部分は上手かったと思う。ただ、肝心のストーリーの展開が無理やり過ぎた為に、全体として見ると今一つ説得力に欠ける印象である。

どうしてこれほどいじめ死した少女は追い詰められなければならなかったのか。映画で表現された内容では、そもそも悪者にされている少女の責任を問えるのか。ベランダの手すりに5秒立てと言っただけであり、拒否する事も許されていた。

終盤でこれら少女たちはいじめ死した少女の父親の自宅に呼び出されるが、何故わざわざ行く必要があったのか。発言を録音されないようにベランダで話す事になるが、小型のレコーダーなどいくらでも隠し持てるし、ケータイなどでも録音可能である。ケータイを持つのが当たり前の高校生がこんな事に気付かないのは不自然。

ラスト、いじめの首謀者である少女はどこかの施設に入れられているシーンがあるが、結局何がどうなったのか説明がない。あまりに不親切である。

いじめ死した少女の父親があまりに哀れなので鑑賞意欲は続くのだが、観終わってがっかりする。どうやって世間に真実が明らかになって、どうやっていじめた側が追いつめられるのか、それが一番観たい部分だろうに。肝心の部分をすっ飛ばしているのだ。だから、観終わっても何かすっきりしないのである。

 

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