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主に映画の感想を書いているブログです

六月の蛇 (2002) [日] 塚本晋也監督

「心の健康センター」の電話相談係りを務める女が相談相手からストーカーされて盗撮と脅迫により不本意な要求を受けるといったような展開。

粗筋的にはこれだけである。良くできた夫とは感情的な部分で冷え切っており、これが主要テーマなのだろうが、主人公はどうしてこの男と結婚したのかといった疑問がわいて来る。ハゲの上デブで決して格好良くない。潔癖症のキモイおっさんである。

ストーカー野郎は一般的には単なる犯罪者でしかないが、結果的にはこの男のお陰で夫婦仲も改善する。ハッピーエンドと言ったら言い過ぎかもしれないが。電話相談を受けてくれた一種の恩返しと見る事も出来る。

まぁ、ストーリー展開はそんな感じで到底一般受けするようなものではないから、内容を期待して観ろとは言えない作品である。テーマ的に正当性はあるが、裸が結構多いのも一部の人には抵抗感があるだろう。

80分ほどと一般的な映画作品としては短い尺であり、不要なシーンの殆どないよくまとまった内容とは言えるかもしれない。あらかた結末の予想は付くが、鑑賞意欲が続かないといった事はない。

最後になったが本作で一番優れているのは映像である。青っぽいモノクロである必要性はそれほどないと思うが、シーンの殆ど全て鑑賞に堪える素晴らしい出来である。アップの多い画面だがこれはこれでうまく切り取られていて無駄がない。ロングのショットもうまく組み合わさっていれば完璧なのだろうが、とりあえず観ていて不満の出て来ない映像だろう。

映画ファンなら観てみるべき作品だが、一般の人には少々敷居が高いかもしれない。本作は暇潰しに観るような作品ではなく、少し気合を入れないと観られないだろう。