題名はありません。

主に映画の感想を書いているブログです

グローリー/明日への行進 (2014) [米] エヴァ・デュヴァネイ監督

1965年のアメリカの公民権運動を題材にした社会派ドラマ。ノーベル平和賞を受賞したキング牧師を主人公としている。例によって人種差別問題である。正直、さすがに飽きた感がある。

ひたすら白人による迫害シーン。それも妙に間延びした演出でだるい。末端の活動家と頂点の大統領しか描かれていないので繋がりがいまいちピンと来ない。大統領は決断を下すだけでいいから簡単だ。むしろ、大変なのはその下の人達だろう。白人だって今まで長く続いて来た慣習を変えるのは容易ではないはずだ。だから抵抗するわけだろう。

主役のキング牧師ノーベル賞受賞後から登場する。歴史を知らなければ何故受賞したのか、何をしたのか、全く不明だ。彼自身はノーベル賞受賞者というステータスを得てしまっているから、投獄されたとしても、今一つ迫害されている黒人の一員として見る事が難しい。

伝記ドラマの一部分を切り出しているような構成だから分かり辛いのである。「グローリー/明日への行進」と「グローリー/明日への行進2」があってその「2」だけ見せられているようだ。これだったら、ノーベル賞受賞の理由をまず見せてくれと言いたくなる。それによって主人公を理解出来るだろうし感情移入もし易いのではないだろうか。

この種の事実を基にした系の作品にありがちな事実の羅列で構成された退屈な映画というのが私の感想である。つまるところ、制作者が主人公を正しく理解していない。人物が描けていない。だからつまらないのである。自分も理解していないものを他人に説明出来るわけがない。常々言っているように、だから伝記ドラマは面白くならないのである。

これを見て理解出来る人は見る必要はないし、分からない人にとってはもっと基本的で分かり易い内容が必要であり、どちらにしても必要のない映画である。主義主張が良いから良い作品だとするのは間違いだ。映像や脚本、音楽、俳優などを駆使して感動をもって言いたい事を伝える事が芸術作品の仕事であって、その技術が優れている作品を良い作品と評価すべきである。

 

グローリー/明日への行進 [DVD]

グローリー/明日への行進 [DVD]