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主に映画の感想を書いているブログです

素敵なウソの恋まじない (2015) [英] ダーブラ・ウォルシュ監督

独り暮らしのお爺さんを主人公としたラブコメディ。最近多くなった老人メインのドラマ。正直、私はいちいち醜い老人を出す必要はないと思う。老人が多いから老人を出せば受けるという安直さも気に入らない。

それはともかく。本作はとても明るく心温まる気持ちの良い作品だ。主人公がとてもいい人で憎めない。またその演出も少々大味だが分かり易い。俳優の演技も完璧だ。主人公が恋する相手にしても、恋敵となる男もとても分かり易い。こういう演出の上手さは素直に評価すべきだ。

一部の人にしか理解出来ないものを妙に評価する人がいるがそれは間違いだ。どんな素晴らしい事を言っていても一部の人にしか伝わらなかったら何の意味もない。表現というのはまず分かり易い事が必要である。これ以上優先すべき事はない。当たり前の事だが、意外にも分かっていない人が多い。

本作は人物が分かり易いだけでなくストーリーも面白い。この種のラブコメにしては凝ったシナリオである。きっちり計算して作られているので安定感がある。無駄な展開がないのも良い。退屈するシーンは少しもなく、最後まで鑑賞意欲は続く。結末の予想は付くが、それでも面白く楽しめるという、理想的なシナリオと言っても良い。期待は裏切らない。

ただ、個人的には肝心の恋愛部分が今一つに感じた。主人公が一目ぼれしたという女も当然主人公と同レベルの年齢。つまりはお婆さんである。しかも、お世辞にも美人とは言い難い。趣味はいろいろあるだろうけれど、性格的な魅力がそれほど描かれていない事もあって納得感が無かった。

主人公の内面的魅力はこれでもかというくらいにしつこく描かれているので、相手が主人公を想う気持ちは分かる気がする。つまり、主人公はよく描けているのだが、相手のお婆さんに関しては今一つだったというのが私の感想である。恋敵となる男の方がむしろ良く描けていた。少しステレオタイプ過ぎる気はするが。

しかし、全般的にはよく出来た作品と言える。完成度の高さでおすすめ出来る部類に入る作品だ。万人受けする作品と言えよう。それ故にマニアックな映画ファンが観ると物足りないと思うかもしれない。