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主に映画の感想を書いているブログです

チャップリンからの贈りもの (2014) [仏] グザヴィエ・ボーヴォワ監督

スイスを舞台にチャップリン遺体誘拐事件を描いたコメディ。主人公の男は刑務所帰りの移民。同じく移民の親友の男が出迎える場面から始まる。親友の男は真面目だが、病気の妻と幼い娘を抱えやはり生活は苦しいという設定。

自業自得、自己責任と言ってしまえばそれまでだが、他に手段を思い付かない主人公はチャップリンの遺体を盗み身代金を要求する事で大金を得ようと計画する。親友の男も妻の治療費を捻出する為に渋々協力する事を了承する。

どれだけ貧困か。いかに主人公らが良い人であるかを演出して犯罪を正当化しようとしているが、さすがに遺体を盗んで金を得るというのはやり過ぎだろう。生きた子供などが誘拐の対象でない点で凶悪さを抑えているつもりだろうが犯罪は犯罪だ。

本作もコメディというわりには今一つ暗い。主人公は独り身だからまだいいが、親友の男は妻子持ちの上に妻が病気だったりと不幸過ぎてあまり笑えない。間延びした演出もテンポが悪い。もっときびきびと展開してもいいだろう。特別、感動のドラマにしたいわけでもないだろうに。

極め付けは裁判にかけられた主人公らの弁護士の言い訳くさい陳述である。簡単に言えば貧困だから犯罪行為を許せという内容。貧困が全て本人の責任とするのもどうかと思うし、うまく制御出来ていない政治にも責任があるとはいえ、本人の責任を全て排除したような意見も甘え過ぎである。

慈愛に満ちた演説自体は感動に値する。映画的にはこれでいいのかもしれない。実際、本作のクライマックスはこの弁護士の陳述シーンである。主人公らのドタバタ劇のくだらなさに気付かされるシーンでもある。

間延びした演出に我慢出来れば「遺体誘拐」という展開の面白さでそこそこ楽しめる作品である。少し間の抜けた主人公と真面目な親友のコンビもそれなりに味は出ている。俳優も悪くない。暇潰し程度にはなるか。

 

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