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独裁者と小さな孫 (2014) [ジョージア・仏・伊・英] モフセン・マフマルバフ監督

クーデターにより追われる身となった大統領とその孫の逃避行。設定的に史実を基にした系作品のようだが本作は架空の話である。

その為か大統領と孫が二人だけになる過程に少々無理を感じた。それはそれとして二人の逃避行を楽しむ作品である。一種のロードムービーとも言える。

大統領の孫は育ちが良い為か5歳であるにも関わらず大人しく賢い。孫はこの程度でもいいが、肝心の大統領本人の人間性みたいなものが描き切れていないのは不満である。

一見いい人っぽいのだが、一般国民からは相当恨まれているようである。だからこそクーデターも成功したのだろうし、良く思われていないといった演出がいたるところでなされている。

孫を必死に守り、逃避行中出会う人々にも特に酷い対応をするでもなく、どうもこのあたり矛盾に感じて、結局どういう人なのか理解出来なかった。政治的には酷かったが人間的にはそうでもないという事なのか。

それもちょっと都合が良過ぎる。ラストもあまりにそのまま普通に想像出来るもので面白味に欠ける。フィクションなのに、それこそ史実を基にした系作品のようである。

私だったら、今までして来た事を後悔して国民に許しを請うなり自殺するなり、そういった展開にすると思う。面白いかどうかはともかく、少なくともこれが王道的な展開ではないかと思う。

しかし、本作はそういう人間性が描かれるわけでもなく、単にクーデターが成功して終わり。クーデター側の人間が主人公で、非道な独裁者相手の話だったらこれでもいいのだろうけれど。今一つ内容的に納得感がなかった。設定は良いがツメが甘い。

映像や俳優は子役も含めてそこそこの出来なので、映画ファンなら観てもいいだろうし、観て損したという程酷い作品ではない。

 

独裁者と小さな孫 [DVD]

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