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主に映画の感想を書いているブログです

サムライ (1967) [仏] ジャン=ピエール・メルヴィル監督

孤独な殺し屋を描いた作品。俳優人気に支えられた一種のアイドル映画である。少なくとも私はそう感じた。この俳優でなかったらどれほど観る人がいるだろうか。

まずタイトルに特徴がある。邦題は原題通り。このタイトルだけを見ると時代劇か何かと思ってしまうが、仏映画なのでそういうわけではなく、日本のサムライのような一匹狼の殺し屋を描いているわけである。

確かに映像は良い。クールな殺し屋も(見た目は)格好良い。しかし、これだけ。ストーリーは尻尾をつかまれた殺人犯が逃げ回るだけだ。主人公以外の人物は取って付けたような説明しかないから人間性がよく分からない。

主人公も、殺人現場で顔を見られて、警察に怪しまれ、部屋に盗聴器は付けられるし、組織からも狙われる。これではただの間抜けなチンピラである。もともとそうなのかもしれないが、見た目のはったりだけの格好悪いイメージしかわいて来ない。

こんな調子では一匹狼では生きて行けないだろう。どうもこのあたりが引っ掛かって素直に楽しめなかった。もちろん、最後には捕まるでも殺されるでも良いのだが、その過程が殆どなくて、あまりにも最初から終わり過ぎている。少なくとも、殺し屋の仕事はもっとスマートにこなして欲しい。その上で些細なミスから正体を突き止められるとか。そういう展開であれば納得出来たと思う。

そんなわけで、一般に評価の高い作品を貶した格好になったが、これが私の素直な感想である。映像と俳優は良いから観ていてつまらないという事はないが、あえてお薦めするほどの作品でもなかった。映画的には良く出来た作品だが、内容的にはこれより面白い作品はたくさんある。

 

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