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白鯨との闘い (2015) [米] ロン・ハワード監督

この邦題からすると巨大鯨との死闘を想像させるが、実際は闘いというよりは一方的にやられて海を漂流するサバイバル作品である。どちらかというと漂流が中心の物語だ。原題が「IN THE HEART OF THE SEA」なのも頷ける。ただ、原題のままよりはこの邦題で良いという気はする。

ストーリーは単純だ。巨大鯨に沈没させられた捕鯨船の乗組員たちの漂流。ただそれだけである。乗組員同士の仲違いなどもありそうでなく平板な展開である。新米船長とベテラン一等航海士の対立も最初くらいで、そんなのあったっけというくらいどうでもいい設定となっている。本来このあたりを掘り下げて描く人間ドラマのように思うが、本作制作者にはそこまでの技量はなかったようである。薄っぺらいただのアクション映画で終わっている。

本作は、この捕鯨船の元船員が取材に来た作家に昔話として語るスタイルである。これ自体はありがちなのだが、この船員が漂流ドラマ中どうでもいい雑魚船員でしかなく、主人公はあくまでベテラン一等航海士なのでどうにもブレた感触しかない。だったら、このベテラン一等航海士の回想で良いのではという気がする。もっと言ってしまえば、回想形式にせず、普通にベテラン一等航海士が主人公のドラマで良い気がする。

巨大鯨との闘いがあっさりし過ぎだし、船員同士のやり取りも面白味が無さ過ぎるし、語り手が隠す秘密も何を今更感しかないし、で観ている最中はまぁこんなものかと思うが、観た後にがっかりするタイプの作品である。