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主に映画の感想を書いているブログです

ボーダーライン (2015) [米] ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督

メキシコの麻薬組織壊滅を目的とした特殊チームの活躍を描いたサスペンスアクション。いわゆる七人の侍的な設定。目的意識を持ったちょっと危ない奴らが大集合。捜査というより殲滅が目的と言った方がしっくり来る。

FBI捜査官の主人公は一応ベテランの部類に属するが、その主人公ですらこの荒くれ部隊の中ではヒヨッコ扱いである。捜査官と兵士の違いといった方が正確かもしれない。

アクションシーンは多いのだがやたらに人が死ぬ。ただ人が大勢死ぬだけのアクションシーンなので少々面白味に欠ける。この辺りも捜査というより殲滅なのである。逮捕じゃなく殺す事を目的としている。

捜査により全容解明したい主人公と殺したいだけのその他のメンバーとの対立が本作の柱である。しかし、肝心の主人公のキャラクターが弱い。その他大勢に対抗出来るだけのスキルや信念みたいなものが無さ過ぎる。もっぱら、ただのレポーターのような存在になってしまっている。

一人の主人公vsその他大勢という構図だったら、少なくとも主人公に強烈な個性がないとその他大勢に埋もれてしまう。本作の失敗はこの部分にあるだろう。ただのレポーターは居てもいいが、それでは主人公にはなれない。

主人公以外は、自分の家族をどうこうされた恨みを晴らす事が目的だったりするから麻薬組織どうたらはあまり関係ない。別に恨みを晴らすストーリーでもいいが、その設定もセリフでちょっと言及されるだけだから観ている側は共感も感動もない。

本来は、主人公の正義感みたいなものを軸に描くべきストーリーなのに、この主人公が頼りない為にただの殺りくドラマになってしまっている。悪の組織の人間だから殺されて当然だろうが、それだと主人公の存在意味がない。

これだったら、この主人公無しで、ただ恨みを晴らす為に麻薬組織殲滅して終了、の方がよほど納得が行く。中途半端な人物を主人公にしたばっかりに誰に感情移入したらいいのかよく分からない話になった。