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主に映画の感想を書いているブログです

祈りのちから (2015) [米] アレックス・ケンドリック監督

敬虔なクリスチャンの老婆が一つの家族の運命を変えるみたいな。宗教ドラマ。本作を良しとするかどうかでその人の人柄が分かる気がする。

不動産の営業をしている主人公は、顧客のお婆さんに悩みを見透かされて神様に祈る事を勧められる。祈るといっても本当に祈るだけではなく、その教えの通り言動も変えるわけだが。

お子様向けのアニメ作品などではこういった類の展開はわりと普通にある。善意を持って接すれば相手も分かってくれるだろうという。モラルが全ての子供社会はこれでいい。しかし、大人社会はこんなに甘くない。だから、善意なんてものは大人になるとみんな忘れてしまうのである。

本作は、それをいい歳の大人に演じてみせたあたりが新しい。しかも、それほど違和感ない。こんなのないだろうと思ってしまうような展開になりがちだが、本作はそのあたり上手く処理されていた。いわゆる超常現象が起きるようなストーリーではない。普通に現実にあり得る内容だ。

とても単純だし言いたい事も明確。素直に描いているから、少なくとも私は好感を持って観る事が出来た。稚拙な部分もあるが、それでもこれが言いたいという熱意は感じた。だから特段批判する気も起きないのである。

確かに、現実社会はこんなに甘くない。しかし、理想と現実といったものもあるだろう。こうであったらいいな、こうあって欲しい。そういう願いはあってもいいと思う。理想を描く事もフィクションであるところの映画作品の使命の一つである。