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主に映画の感想を書いているブログです

神様メール (2015) [ベルギー・仏・ルクセンブルク] ジャコ・ヴァン・ドルマル監督

世界中の人に余命を知らせるメールが届く。ただのいたずらでない事はメールの通り人が死ぬ事で証明される。正確には神様の娘が出したメールである。

本作の神様は実に所帯じみている。中流かそれ以下くらいの生活環境。生活に疲れたようなオヤジである。どう見ても冴えない顔。家族にも冷たく威張り散らしている。駄目人間の見本のようにしか見えない。

しかし、神様であるが故に世界への影響力は絶大だ。というより、どのような世界にするかは彼の気分一つで決まる。その権力を悪用して「普遍的な不快の法則」を作って人々を困らせて楽しんでいる。これで神様って。

世界を操る為には神様専用ルームにあるパソコンが必要。パソコンがないと何も出来ないのである。家出した娘を追って人間界に来た彼が結局何も出来ずに浮浪者に殴られたり警察に捕まったりするのが滑稽だ。これで神様って。

実はただのパソコンオぺレーターだったとも言える。実際、そのパソコンをいじれば誰でも神様と同じ事が出来てしまうのである。これではそもそも彼(神様)の存在意味がない気がする。

本作は常にこんな調子。神様はどうしようもないクズでその娘は奇跡を起して人々を幸せにする。対照的に描かれる。途中ダレる部分もあるが、彼女と関わる人々が個性的なのでそこそこ楽しめる内容だ。

本作は設定からして間違いなくファンタジーだが、神様家族の住む環境が人間世界そのものである事や父親であるところの神様がちっとも神様らしくないところ、その娘の反抗もただの普通の子供のそれである事などから、神様どうこう言うより、現実の人間の家族を神様家族に見立てて比喩的に描いたように思える。

爆笑のドタバタギャグといった感じではなく、ちょっと苦笑しながら観るといった感じの上品さはヨーロッパ映画らしいところである。一風変わったファンタジーコメディだ。

 

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