題名はありません。

主に映画の感想を書いているブログです

誘拐報道 (1982) [日] 伊藤俊也監督

身代金目的の児童誘拐事件を描いたサスペンス。現実に起きた誘拐事件を基に制作されている。原作も事件を取材した新聞社が編集したものの為か細部が詳細に描かれており、当たり前だがリアリティのある内容。

しかし、そのわりには面白くない。理由は単純だ。事件がただの身代金目的の誘拐事件でしかないからである。身代金目的の誘拐事件など日常的にそうそう起きるというわけではないが、それにしても特に珍しい部分もなく、映画的に映えるシーンがあるわけでもなく、普通に犯人も逮捕されて解決済みであり、どうしてこの事件を殊更取り上げ映像化しようとしたのか。まずこの点が疑問である。

唯一特徴的と言えば、捜査の為に警察の要請で報道規制が行われた事くらい。これも特に珍しいわけでもないし、誘拐された子供の為という大義名分もあり、特に批判される事でもない。実際、これで犯人が逮捕され子供も無事だったのだから文句の付けようもない。

自分の行いによって金に困って何の落ち度もない家庭の子供を誘拐した事件であり、犯人側には何の同情の余地もない状況なのに、作品的には犯人側の犯行にいたるまでの経緯を詳細に描き、どちらかと言えば同情的な演出であり、この点も少々疑問である。

トーリー自体面白くないという事もあるが、前述の事も含めて、結局何を描きたい作品なのか私にはよく分からなかった。ただのドキュメンタリーは報道番組でやればいいのであって、わざわざ映画作品にする必要はない。

 

誘拐報道 [DVD]

誘拐報道 [DVD]