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見えない目撃者 (2015) [中] アン・サンフン監督

警察官志望だった盲目の女がひき逃げ事件の目撃者となる。目撃というより正確には同乗者である。タクシーと間違えて乗った車が実は女子大生連続失踪事件の犯人だったという。

主人公は、自身の運転する車の事故で弟を亡くしており、それなりに年月が経っているとはいえ、作品を観ている限りは、え、また事故なのかと思ってしまう。そこはフィクションと割り切って観ればいい事ではあるが。

シャーロックホームズばりの観察眼(能力)と推理力で、これもフィクションと割り切ればまぁ面白いと感じる。警察官志望だったという設定も活きている。

事件の証人である主人公は犯人から付け狙われるが、この追跡劇はスマートフォンのカメラを利用したりなどのアイデアも豊富であり、盲目である事を活かした見せ場を上手く作っている。単純に感心する事が多かった。

某有名作品に似ている部分が多く、私も直ぐに気が付いた。本作自体が既にリメイク(2011年「ブラインド」)なのだが、もっと大昔の名作の話である。

通常、私は他の作品と比較してどうこうといった意見は言わない。何故なら、作品単体で面白いかどうかが重要なのであって他の作品と比べたりしてもしょうがないし、たとえ盗作であっても面白さには関係しないからである。逆に言えば、新奇性の内容があったとしても面白くなければ評価しない。

今回、あえてこの点に言及したのは、その大昔の名作が私の中でもベスト10に入るくらいに好きな作品であったからだ。でも、これはこれで面白いと感じたので私は気にしない。映画作品は楽しむ事が目的だからである。

本作は出来が良い作品だ。ハリウッド映画ばかり観ているような人は日本以外のアジア映画を下に見ている事も多いが、中国製映画は既にそういったレベルではない。数が多いばかりで駄作の多いハリウッド映画よりもむしろ質は高いくらいだ。

映像や演出、俳優の演技なども十分に水準をクリアしており、映画技術的にも文句を付ける部分はない。ただ、ちょっと本作は作り込み過ぎの感はあった。人間の心情よりもストーリー構成などのテクニック優先。だから感動の名作とまでは行かない。しかし、十分に最後まで緊張感を持って楽しめる佳作と言える。

 

見えない目撃者(字幕版)