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主に映画の感想を書いているブログです

フェイク・ライフ 顔のない男 (2014) [仏・ベルギー] マチュー・デラポルト監督

特殊メイクをして他人に成り済ます事が趣味の男を描いたサスペンス。主人公は不動産会社の営業マン。部屋を紹介した相手に成り済ます。これは正直理解に苦しむ。

変身して他人になりたいというのは誰にでもある感情だが、だからといって映画撮影で使うような特殊メイクまでして成り済ます事はない。まずこの時点でリアリティが無さ過ぎ。いかにも「お話し」感しかない。そもそもこんな技術どうやって身に付けたのだろう。それこそ映画会社で働けばいい。

見た目変装するだけでなく本人の声色や仕草まで真似して完璧に演じるほど用意周到のわりには、度々本人にバレそうになって逃げたりしているあたりも不自然だ。こういう部分からもリアリティを感じない。

完璧に他人に変装出来たら面白いだろうなという発想は悪くないが、実際の作りがお粗末な感じである。終盤は変装に意味を持たせるようになっているが、最初からこの理由で変装するという事で良い気がした。

やはり変な事をするからにはそれなりの理由がないと駄目だ。それでこそストーリーに説得力が出て来る。人物の言動にも重みが出て来る。それらが最終的なテーマへと繋がる。

ただ、本作は映像や俳優の演技など映画技術的にはよく出来ていた。内容以外の演出自体は悪くない。突拍子もないアイデアも鑑賞意欲には貢献していたと思う。特に観て損したという感想はないが、せっかくのアイデアを活かし切れていない気がする。