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魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's (2012) [日] 草川啓造監督

異世界の遺産「闇の書」をめぐる争いを描いたファンタジーアニメーション。ゲームを原作としたテレビアニメ作品の劇場版である。小学生の女の子が主人公だが対象年齢層は高めだ。

前作もそうだったが、本作はよりオタク色が強い。設定なども複雑で私も半分くらいしか理解出来なかったくらいだから、お子様が観ても意味不明だろう。観ないだろうけれども。

私の理解では、車椅子の少女「はやて」の命を救う守護騎士たちのドラマのように思えた。「はやて」の命を救う為には「闇の書」の覚醒が必要だが、世界の破滅を招くらしいその行為を阻止しようとする、本作主人公のはずの「なのは」やその親友「フェイト」は、どちらかというと邪魔な存在として描かれている。

作中でも言われているが、「なのは」や「フェイト」は悪役に見える。もちろんそうではないのだが、だったら最初から「はやて」に協力する側に回っていれば分かり易いのに、こういう回りくどいあたりがオタク向けと言われてしまう所以である。

つまり、テーマを表現する為というより、細かい設定をなぞる為の展開なのである。テレビアニメを観なくなって数年経つが少しだけ懐かしい感じがした。「設定を説明するだけの内容なら設定書を読めばいい」と昔はよく批判していたものである。オタク向けアニメはこの一文さえあればいいのだ。これだけで全てのオタク向けアニメは批判出来る。

本作もそのようになっていた。前作は、まだ親子関係がテーマとなっており、まともなドラマが存在したが、本作はメインの「はやて」と守護騎士たちの関係が希薄だったし、問題解決のプロセスが全てファンタジー世界の都合でしかない為に、リアリティのあるテーマへと繋がらなかった。

ファンタジーだから何でもありで構わないのだが、肝心の部分は現実世界のプロセスを経ないと観ている人間はやっぱり普通の世界に生きる普通の人間だから実感がわかないと思う。ファンタジー世界を描く事自体がテーマになってしまっている。

前作より勝っている部分と言えば作画だけだろう。映像は劇場用アニメーションとしてはかなりのクオリティだったと思う。映像だけでも観る価値があるかどうかというと微妙だが、ここが物足りなかったといった部分はない。テレビアニメのファンは文句なしだろうが、それ以外の一般の人には理解されにくい作品だと思う。

 

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