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主に映画の感想を書いているブログです

二ツ星の料理人 (2015) [米] ジョン・ウェルズ監督

ミシュランの三ツ星評価を得る為に奮闘する料理人たちを描いたドラマ。主人公は過去に二ツ星までは獲得した経験のある一流シェフ。しかし、人間的には完璧主義で自己主張が強く協調性がないタイプ。

才能はあっても人間的にはいまいちの一匹狼が失敗を繰り返しながらも仕事を成功させ人間的に成長して恋人も出来てハッピーエンドみたいな。ハリウッド映画のセオリー通り。安定の一作。

セオリー通りであるからここが悪いという部分はない。料理の腕を表現するというのは難しいだろう。実際あまり表現されていなかったが、これはしょうがないかもしれない。緊張感のある厨房シーンはうまく描けていた。

実際に料理人でもない人間にはこれでいいのかよく分からないが、主人公の性格も合わせて分かり易いと思った。

このあたりはいかにも大味というか。どんな人にも対応しますみたいな。サービス精神旺盛なハリウッド映画の特徴がよく出ている。こういった良い面は素直に褒めるべきだろう。

味方と思っていた人間に裏切られるシーンがクライマックスだが、どんでん返しのあるストーリーも良く出来ていて久しぶりに感心した。主人公の心情変化もデジタル的ではあるものの素直に描けていて悪くない。

終わり方もこれで間違いない。三ツ星を取得する事が全てではない。それが目的になって人間性を失ってはどうしようもない。そういうメッセージである。単純明快なラストだ。

しかし、このシンプルなラストにもって行くまでの展開が今一つ。ひたすら主人公の傍若無人振りを見せられるだけ。ここは素人にも分かり易く料理技術の説明などが入れば良かった。それでこそ主人公の才能も理解出来るし、料理ドラマとしての面白味も出て来るだろう。