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パーフェクトマン 完全犯罪 (2015) [仏] ヤン・ゴズラン監督

作家志望の青年が盗作によって一躍有名に。同様の作品は既に多数あるのでオリジナリティが要求されるが、ある意味ではそれはあった。しかし、結果的に面白い方向ではなかった。

運搬作業員として働き生計を立てつつ作家を目指し出版社に作品を投稿する毎日。孤独死した老人の日記を偶然見付けた主人公はそのまま自分の作品として発表し新人作家として世間に認められる。死人に口無しである。

ここまでは予想通りだ。誰もが期待するのはこの次の展開である。嘘がバレないように頑張る主人公と恐らく現れるだろう邪魔する人物達との駆け引き。しかし、どうにも展開がバタバタし過ぎである。

まず、肝心のこの日記の面白さが全く表現されていない。盗用するからには当然ながら物凄く面白くなくては意味がない。これなら絶対受ける。絶対作家として認められる。そういう内容の必要がある。詳細な内容まで説明する必要はないが、それにしても説明不足である。だから、何故主人公がこの日記を盗用しようと思ったのか。肝心の部分がよく分からない。面白かったのだろうと予想は付くがそれを表現するのが本作の仕事である。

一躍若きスター作家となったのはいいが、まだ序盤なのにいきなり「邪魔する人物」が現れる。せっかく、嘘がバレないように事前準備として盗用日記に関する資料を調べ尽している描写をしているのだから、しばらくはスター作家としてのシーンを描くべきである。あまりにもこれが短過ぎ。

嘘を知った人物から脅迫されお金を要求されるというのも安直な展開だが、これも泥棒した上に、それもまた直ぐさま別の人物に発覚とか。何というか、もう少し間があってもいいだろう。

盗作とはいえ成功した人物という今まで苦労した上での達成感もよく伝わらないまま、窃盗と連続殺人の凶悪犯罪者というある意味では以前の底辺生活に逆戻り。これでは、ただの凶悪犯罪者のドラマである。

最終的にこういう結末でも構わないのだが、せっかく盗作で成功した作家という設定なのだから、これを活かしたストーリーにすべきである。たとえば、会社のお金を横領した事がバレて犯行を知った誰かに脅されて、といった設定でも全く同様の展開が可能である。

こうじゃないだろうと。序盤から不満を抱きつつ観る事となった作品である。少なくとも、盗用作品の説明とスター作家としての地位の説明と発覚を防ぐ為の駆け引き、これらが必要だった。あると言えばあるのだが、全く足りない。単純にシナリオが面白くない作品である。

 

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